突然のお別れ

2000年4月3日(月)、まめ子がお星様になりました。


この日、飼い主は7時頃帰宅した。
まめ子のお家をのぞくと、なんだか毛並みが悪く、不自然にうずくまっている。
お腹に触ると、お腹の真ん中あたりが固い感触で、お尻の毛に血のついたあとがあり、動作もぎこちなかった。
7時半頃、診療時間の終了が近くなっている病院に電話してから家を出た。
病院に着くと検査が行われた。結果を待つ間、両手で包み込んでいたが、いつもはホカホカな体がひんやりと冷たい。
そして、脈打つごとに鳴くように、規則正しくチィチィチィチィ・・・と消えそうな声で鳴きつづけていた。
ハムスターのように小さい動物は、検査で詳しいことは分からないようだった。
すっかり体力がおちているまめ子。手術はかなり危険で、半分以上の確率で亡くなると言われた。
しかし、このまま抗生物質などの治療をしても、今、状態が非常に悪いので、ほぼ確実に長くはないと言われた。
そして、手術を決意した飼い主。まめ子を残して帰宅。
不安で不安で苦しくて、期待と絶望で、わけのわからない状態で連絡を待った。
9時半頃、病院から電話。
「先ほど手術が終わりまして、麻酔が覚めるのを待っていたところなのですが、呼吸の状態がおかしいようです。よろしければこれからいらっしゃいますか。」
「わかりました。行きます。」
再び病院へ向かう。
病院に着くと、既にまめ子は息をひきとったという。
まめ子に会って、軽くクシャクシャとなでると、まだやわらかく、嘘のようだった。
まめ子はホッソリとしていた。太っていると思ったのは、実は太っていたのではなかったようだ。
その後、経過の説明をうける。
まめ子は卵巣に癌ができ、さらにお腹全体に広くちっていたそうだ。
卵巣はまわりの臓器にくっつき、摘出も困難で、いわゆる手のほどこしようがない状態になっていたそうだ。
おまけにお腹に水もたまっていたそうだ。
お医者さんにもどうすることもできず、何もせずにお腹を閉じたそうである。
手術の間、まめ子はちゃんと息をしていて、のりきったのだが、麻酔が覚めるのを待っている間、
一瞬頭をあげたりもしたのだそうだが、呼吸がおかしくなり、だんだん息をしなくなっていき、9時35分頃、呼吸が停止。
眠るように亡くなったのだという。
しかし、手術をしなくても、今日か明日の命であっただろうと言われた。
まめ子はきれいに拭いてもらって、小さな花を添えてもらって手元に帰ってきた。


この写真が生きているまめ子の最後の写真になってしまった。

すごく太って見えるが、本当は大きい癌と、お腹にたまった水であったのだと思う。
こんな事になる直前まで、飼い主はまめ子が癌と戦っていたなんて事には気づかずにいた。
そういうつもりになって考えてみれば、最近ずいぶん大人しかったように思う。
実はまめ子と1番コミュニケーションをとっていたにもかかわらず、まめ子の体調が悪いなんて考えもしなかった。
まめ子は、ただ、可愛くて可愛くて・・・。
死の直前まで、一点の曇りもない幸せをもらってしまった。
まめ子は新しく買ったプランターに、ヒマタネと粟と、それから小さな花と一緒に埋葬した。
まめ子はもういないのに、何故か「まめ子が死んでしまうのでは・・・」と不安に思ってしまう。