お疲れ様でした・・・

2000年9月4日(月)

毎日、起床時と帰宅時には、パール君の様子を確認することが習慣になっていた。
今朝もいつものようにパール君のお家の蓋を開けた。
パール君はいつもの通り、横になって眠っているようだった。
お腹が呼吸で動く様子が確認できなかったので、お家を軽く揺らした。
起きないのでフーーーーと息をかけてみた。反応がなかった。
いつもハムスターが亡くなる時は、その事を受け止めるまでに苦労するが、
彼の死は、自然と「ああ、死んでしまったんだ・・・」とすんなり納得させられた。


今だから言うのであるが、パール君のお腹の下の方には腫瘍があったのである。
それが発見されたのはもうかなり前の事になる。
それが良性の物か悪性の物かは不明であったが、その時「病院に連れて行くか、それとも治療せずにこのまま生きてもらうか」という事を考えた。
いろいろな事が思い浮かんだ。
ハム爺さんが、自分の胸にできた腫瘍を噛んで亡くなったこと。
ハムスターのHPなどで、闘病しているハムの記録を読んだ時のこと。
そして、まめ子が癌の手術を受けた時、おおらかな性格だった彼女が、ただの検査の段階で、既に著しく弱ってブルブル震えていたこと・・・(お医者さんは優しく丁寧に扱ってくれていたが)
パール君が、かつて飼ったどの子よりも臆病ハムだということ。
小動物の治療というのは、病院といえども難しいということ。
パール君がもう若いとは言えなかったこと。
・・・・・・
もし、誰かが自分に「こんな時どうしたらいいだろう?」と問う事があったら、きっと私は「病院に行った方が良い」と答えるであろう。
でも、病院には連れて行かない事に決めた。
医者を信用しないというわけではないのだが、その方がなんだか幸せで長生きするような気がした。

彼はその後も元気にしていた。
ただ、他の子よりたくさん餌をあげたり、喜ぶおやつをよくあげるようになった。
餌は増えたが、彼はさらに痩せていった。
急激な変化は無かったが、徐々に弱まっていった。
腫瘍が良性の物で、実は年老いただけだと言われれば、そんな感じでもある。
食欲があって、何でもよく食べ、おやつをあげると喜んでくれるのは救いだった。
ハム爺さんのように、腫瘍を噛んでしまわないか不安だったが、彼についてはそういう事故はなかった。

▲晩年(?)の彼

昨日の夜も、ヨロヨロとよく動き回り、餌をよく食べていた。
いつも通り。弱々しくも元気。そんな感じだった。
まさか、翌日にも命が尽きてしまうなんて思いもしなかった。
それでも、彼の死をすんなり受け入れる事ができたのは、きっと、私はこんな結末を望んでいたからかもしれない。
最後までよく食べ、よく動き、私なんかに死を悟られることなく、眠るように逝くこと。
彼については、「これで良かった」と思えた。
病院に連れて行ったら、さらに元気な老後が待っていたのかどうかは分からないけれども・・・


彼との出会いは、たしか2年前の9月最初の土曜か日曜だったので、9月5日か6日だったと思う。
あとちょっとで2年の付き合いだったのになぁ・・・
でも、よく生きてくれた。よく笑わせてくれた。
どうも、お疲れ様でした・・・
若かりし日の彼。 星になった彼